〜おやすみ〜 ユウコ 様 |
「ふぁ〜…あ…」 (あー、ねみぃ…) クーラーのよく効いたリビングのソファに寝転がってテレビを見ていた啓介はこち らにまで移ってしまいそうな大きなあくびをした。 テレビではどこぞのタレントとアイドルが密会していたとか、名前も知らない政治 家がああ言った、こう言ったなど… ゆうべ遅くまで走り込んでいた寝不足気味の啓介から睡魔を誘うには十分な条件の 内容だった。 「ふぁぁ…ふ…」 (も…ダメ…眠い…) もう半分以上閉じた瞼のせいで何も見えない。 それでも何とかテレビのリモコンを探り当て、電源を切る事に成功した。 側にあったクッションを手繰り寄せ、その上に頭を乗せる。 ふかふかのクッションに顔を埋めるとフッと頭が軽くなった。 (きもちー、シアワセ…) このまま夢の世界へ……行くハズなのに… (何か足りないような…???) 何だっけ?と目を閉じたまま眉を寄せて考え始めた時 「啓介、寝てるのか?」 (ほえ?アニキ…?) 「こんなクーラーの効いた所で寝たら風邪ひくぞ。ちゃんとベッドに行け。」 (む〜…そんな気力もうねぇよぉ…) 「こら、啓介。」 (あ〜もぉ、うる…せぇ…) 「ったく…」 溜め息をついて足音が遠ざかっていった。 と思ったらまた近づいてきて、パサリと何かを被せられた。 (ん…何…?) 肩のあたりにかけられたものを手繰り寄せ、頬擦りして確かめるとそれは夏用の薄 い毛布だった。 (ん〜、あったけぇ。そうだ、足りなかったのはコレだ。) 謎が解けた啓介はスッキリとした気持ちで再び眠りにつく。 ……が、寝れない。 (何なんだよっっ!) 眠いのに、もうちょっとで寝れそうなのに眠れない。まだ何かが足りない。 (あーっ、イライラする。何が足りねぇんだよ!!俺っていつもどんな状態で寝て たっけ?) どこでも寝れるからベッドに行かなきゃいけない事はないし、毛布のおかげで肌寒 さも感じない。 (いつもみたいに丸まって寝てるし…) 考えながらゴロッと寝返りをうって、フと気が付いた。 (枕ってもっと硬かったような…?) あ、そっか、わかった。 アレが足りなかったんだ。 「…アニキぃ…」 「ん?」 振り向いた顔に毛布から少しだけ手を出して『こっちこっち』と手招きをする。 「どうした?」 優しく答えながらそっと近づいてくる… 「なっ!?」 タイミングを見計らって涼介の首に両腕をまきつけて引き寄せた。 不意打ちの動作にもかかわらず啓介の上に倒れるのを避けて隣に倒れる。 (うん、予想通り。さすがアニキ。) ホクホクと微笑みながら兄に擦り寄る。 「けい…すけ?」 驚いている涼介の懐にゴソゴソと潜り込む。 もちろん頭の下には涼介の腕。 (コレだ、コレ。足りなかったのは) 解決した瞬間、フッと意識が薄くなっていく。 この温もりさえあれば寝れないなんて事はない。 (そんじゃ…おやすみ…なさ…い) 「啓介?寝ちまったのか?」 涼介の問いに、規則正しい寝息が答えた。 END |
強請りました!(笑) ある用事でメールくださったユウコさんが添付してくださったSS。 だって、二人があまりにも幸せそうなんですもの!みことと二人で楽しんだのではもったいないぞ…ということで。躊躇なさるユウコさんを口説きました。「アップさせてーっ!!」 いきなりの強奪、失礼しました(ーー;) ごめんなさい。そして、それ以上にありがとうございましたvv by葉月 強奪サイトの本領発揮ですv<オイ! ラブラブ兄弟をどうもありがとうございました! 懐に潜り込む啓介vうふふふふ。可愛いです(^¬^)また機会がありましたら是非新しいのも読ませて下さいねv byみこと |